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コックファイターのあのレビュー・感想・評価

コックファイター(1974年製作の映画)
4.6
塩もソースもお構いなしに、ただひたすら焦げ目だけで勝負する目玉焼き職人。例えて言うならそんな男、モンテ・ヘルマン。貴方も相当なコックファイターですよ。

世界一観た時の体調によって感想が変わる監督だと思いますが、今回はハマれました。

トレーラーハウスに放置された女と地面から引っこ抜かれてトラックに運ばれて行く家。その対価は鶏。目指すところが永遠に近づかないのに輝いて見える魅力。そしてローリー・バードの捨てられる女としての色気が素晴らしかったです。珍しいですよね、捨てられる男で魅力的な方は珍しくないですが。

この絶妙な男女のバランスが小気味よく、それが最後鶏の首でする返事で絶頂を迎えます。メダルなんて見せなくて良いと。

2年間焦らしてようやく出た言葉が「愛の告白だよ」とはこれまたウォーレン・オーツの使い方を完全に心得ていて、車を追わないその背中が渋い映画でした。

「断絶」ノレなかったけど、もう一回観たらイケそうな気がする。あると思います。
あ