mh

フロントライン/戦略特殊部隊のmhのレビュー・感想・評価

-
継続戦争(フィンランドVSソ連。冬戦争のあと。3年続いた戦争)におけるフィンランド軍自転車部隊がモチーフ。
継続戦争といえば「アンノウンソルジャー(2017年)」だし、自転車部隊といえば、「エイプリル・ソルジャーズ(2015年)」(※ただしこちらはデンマーク軍)なんだけど、それよりもかなり早い段階で作られて、埋もれてる映画。
埋もれたB級戦争映画を(おそらく二束三文で買い付けてきて)DVD化してくれる彩プロの作品なので、これもまあB級なんだろうと甘く見ててごめんなさい。
はじまったばかりの継続戦争における自転車部隊の命運を描いた真面目な戦争映画になっててかなりいい。
継続戦争の一年前――三ヶ月で終わった冬戦争が絶妙なアクセントになってて、それに参加したひとが少ないとか、士官のなかでもひとを殺したことがなかったりして、部隊内のヒエラルキーも複雑。
未熟な指揮をする士官とか、経験値があるけど生意気な兵とか、リアリティがすごい。「アンノウンソルジャー」にも生意気な兵士が出てきたけど、フィンランドってひとからダメ出しされるのを嫌う国民性なのかなとか思った。
序盤にあったフィアンセとの(ぼかしが入っているくらいエロい)ベッドシーンいるのかどうか疑問に思ってたけど、ラストまで見ると印象変わる。いるわ。あのシーン。
戦争が人生を決定的に変えてしまったというラストが悲しいし、素晴らしい。「鶴は翔んでゆく」と同じタイプの反戦映画だった。
全滅するのではなく、三分の一くらい生き残るのも生々しい。
拾いものという意味では極上の逸品だけど、正直「アンノウンソルジャー」とか「エイプリル・ソルジャーズ」のほうが面白いと思う。
でも、面白かったほんとに。
mh

mh