再鑑賞。
若きソプラノ歌手クリステイーヌが無台でひとり稽古をしているのを、物陰から“幽霊”が見つめている。
“幽霊”の思いは彼女に届き、やがてふたりは舞台裏や楽屋で密かに会うようになる。
ダリオ・アルジェント版『オペラ座の怪人』。
監督がアルジェントって時点で危険なかほり。
ちなみに『オペラ座の怪人』とは関係ないが、この作品のおよそ10年前の1987年にも『オペラ座/血の喝采』という映画を作っている。
クリスティーヌ役には監督の愛娘アーシア・アルジェント。
ここでのファントムは、生まれて間もなく川に捨てられた赤ん坊が、オペラ座地下に巣くうネズミの群れに育てられたという設定。
『バットマン・リターンズ』の悪党、ペンギンみたい。
どうやって育てたのかとても気になるところです。
ちなみにファントムさん、文字も書けます。
ネズミさん達の教育すごいわー。
そしてなんと、この映画のファントムは仮面を付けていないし、それどころか金髪で筋肉も程よくついたイケメンさんです。
よってマスクを剥がされるというイベントもなし。
ホラー要素として、のっけから人間が下半身だけになり、舌は引きちぎられ、石筍に人間が突き刺さる(さすがアルジェント)。
ストーリー的にはクリスティーヌと怪人との蜜月を表現するには短絡的だし、随所で見られる特撮された殺人シーンも完成度は今ひとつ。
そして、つい笑ってしまったのが地道作業なシャンデリア落とし。
上着を脱ぎ半裸になって、大きいハンマーで、柱をドガーン!ドガーン!
一心不乱に、ドガーン!ドガーン!
力技すぎるだろ!!!
その超・力技による破壊工作のおかげでシャンデリアは落下。
…お約束のシーンが、これほど無感動に見えるとは…。
あと、クリスティーヌのベッドシーンもありますが、自分の娘のそのシーン撮るときってどんな気分だろう。