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9日目 〜ヒトラーに捧げる祈り〜のmhのレビュー・感想・評価

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ヨーロッパの小国、ルクセンブルグが舞台の戦争映画ははじめてかも。
タイトルはダッハウ強制収容所から一時帰宅を許された司祭に与えられた猶予のこと。9日間でルクセンブルグの司教を説き伏せてくれと、ナチス親衛隊の中尉から頼まれる話。
副題は安定の邦題詐欺で、そろそろ爆発して欲しい。
地味ながら大事なポイントは、ダッハウ強制収容所は絶滅収容所ではないってあたり。
待遇が極悪なので病死、衰弱死が当たり前だけどガス室はない。(けど、遺体焼却炉はある)強制収容所か絶滅収容所か見てるひとはこのあたりを区別して見ているのかよくわからない。
ユダヤ人が出てこない強制収容所ものというのも珍しい。ユダヤ人は出てこないけど、ユダがキーワードになっているのでややこしい。
ソビエト共産党が苛烈な宗教弾圧を行ったため、それに対抗するファシズム政権にいったんは加担したバチカンのローマ法王だけど、最近、だんまりきめこんでるからナチスドイツをもっと支持して欲しい。ひいてはまずはルクセンブルグの司教から切り崩すという理屈。
主人公がそれを引き受けなければ、ダッハウの司祭区域にいる宗教関係者たちを皆殺しにするし、逃げたら家族の命はないという状況。
SS中尉と主人公がお互いのロールモデルになっているのもよかった。
全部実話というのがおそろしい。
ラストは賄賂を払って持ち込んだソーセージをみんなで分け与えるというシーンなんだけど、司祭が賄賂を払ったというのがなんかあれだったのかな? このあたりカトリックに詳しいと納得できたのかも。
やがてダッハウはアメリカ軍の日系人部隊が解放することになるんだけど、その事実が1992年まで伏せられていたという事実にまたしても感心してしまう。まあこの映画には関係ないことなんだけどね。
設定がレアだと面白いと思ってしまう病にかかっているので、たいへん面白く感じたが、冷静に振り返るとストーリーはそんなたいしたことない気がした。
でも、面白かった。
mh

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