スラッシャー映画の本場たるアメリカ、スラッシャー映画人気の高い日本においても顧みられることのない隠れた傑作。バラエティ豊かな惨殺方法(レンジ内での頭部大爆裂、窓に真っ二つにされる胴体と噴き出る内臓、電気鋸にブチ貫かれる神父の腹部)はジョセフ・ジトー畢生の傑作「ローズマリー」に匹敵する美しさを誇っているし、終盤魔女が復活した際の、上映時間の水増しのため主人公を殺せないという事情に端を発する、悪魔による柔道家すら斯くやの投げ技連発には得も言われぬ感動を覚える。この監督ジェームズ・ロバーソンとは何者だろう？今作含めてたった2本しか作品を残していない。異形のホラー「ブラッド・ハウス／恐怖がつきささる」のピーター・レダーとともに彼らは忘れ去られてしまったが、私はその作品と一緒に名前を憶え続けているだろう。
