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娼婦ケティのクリームのレビュー・感想・評価

娼婦ケティ(1976年製作の映画)
3.9
ケイティ·ティッペルは実在の人物で自伝小説を基にした作品。貧富の差が激しい時代で、大人達が皆ゲスく、子供達は逞しい。ケティも逞しく成長して行きます。ラストも好みでした。面白かったです。
※性的な描写あります。

1881年オランダ。貧しい労働者の家庭に生まれたケティは、五人姉弟の二女。父は仕事をクビになり、長女が売春で家族を養っていました。しかし、長女も仕事が出来なくなります。すると母は、ケティに売春で稼いで来いと言うのでした。



ネタバレ↓



街で男を引っかけ稼げと言い。元締めさながら見張る母。糞ババアは、ケティが売春してる間に自分はケティが稼いだ金で買い食いをして待ちます。
ケティは、仕事中に知り合った男の絵のモデルになります。彼の友達2人とも親しくなり、1人の男(ルトガー·ハウアー)とどちらかが飽きるまで一緒に暮らす事になりました。実家に荷物を取りに行くとババアが引き留めます。子供達はどうするの?と聞くと計画性なしにボコボコ産むからだ!知らない!と振り切るケイティにスカッとします。
結果、男は銀行の娘と結婚する事となり、ケイティは居場所を無くします。デモ隊に参加したケティを見付けた、もう1人の男アンドレは彼女を助けます。しかし、暴動の中、彼は撃たれます。画家の男が馬車を止め、2人を乗せアンドレの家へ。そこは、大きなお屋敷でした。ケティは、彼の部屋へ行き彼の額の血を吸ってあげるのでした。

レイプや売春等数々の気持ち悪いシーンをちゃんと描写してくれるのは、流石ヴァホーベン監督。影絵で遊ぶケティの背後からそそり立つイチモツの影が迫って来るシーンは、笑った。
姉はアバズレだったけど、彼女も犠牲者。教養も無く貧しいケティの両親は、子供に売春させる事なんて何とも思っていないのだろう。恐ろしい時代だ。けど、日本も女郎屋に子供を売る親がいたわけだから、同じ様な事は世界で起きていたと思う。ケティは、気が強く困難を乗り切り成り上がる。ラストは、金持ちアンドレが自分に気があるのを利用し、血や金を吸って生きて行くって事なのかと思います。逞しいけどえげつない女に育ったケティ。素晴らしいセンスあるラスト。面白かったです。
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