🔸Film Diary————————————————-
▪️本年鑑賞数 :2021-539
▪️#死ぬまでに観たい映画1001本 467/1001

🖋舞台は西部劇の体ですが、その主題は集団心理の暴走の恐ろしさと法の大切さを75分というコンパクトな作品の中でしっかりと描いた作品です。今のネットでの誹謗中傷、集団極性化の問題と根本的には同じですね。

🖋結局、犯人と思われて冤罪で処刑にされた人間が手紙の内容によって、一番まともな良心の持ち主だったことが分かるラストのくだりは、とてもシュールでした。

🖋主演は当時38歳の若きヘンリー・フォンダでしたが、ストーリー的にはあまり存在感を感じることが出来なくて残念でした。。。疑問を呈するだけで止めることがなかったですからね。。。

😨物語は。。。（参考:Amazon より）
二人の放浪者がある町を通りかかった時に、地元の農民が殺害され、牛が盗まれたと言う知らせが入ってくる。町民と放浪者が白警団を組織し、犯人を捜索する。やがて、牛を所持していた3人組を発見し……。

🔸Database————————————————-
🎥邦題 :『牛泥棒』
原題（英題）:『The Ox-Bow Incident』
🎥製作国 :アメリカ
🎥初公開 :1943
日本公開 :劇場未公開
🎥上映時間 :75分
🎥受賞 :※※※
🎥監督（製作）:ウィリアム・A・ウェルマン
脚本 :ラマー・トロッティ
原作 :ウォルター・ヴァン・ティルバーグ・クラーク
撮影 :アーサー・C・ミラー
音楽 :シリル・モックリッジ
出演（声優）:ヘンリー・フォンダ、ダナ・アンドリュース

🔸Overview （Wikipediaより）———————
『牛泥棒』は、1943年制作のアメリカ合衆国の西部劇映画。ウィリアム・A・ウェルマン監督、ヘンリー・フォンダ主演。日本では劇場未公開。 第16回アカデミー賞で作品賞にノミネートされたほか、1943年の第15回ナショナル・ボード・オブ・レビューで作品賞を受賞した。 1998年、アメリカ国立フィルム登録簿に登録された。

• #死ぬまでに観たい映画1001本
• #MyDVDArchive

法の重みと冤罪を描いた傑作西部劇。
巨匠ウィリアム・A・ウェルマンが監督を務め、ヘンリー・フォンダとダナ・アンドリュースが共演。　　

1885年ネバダ州の田舎町に二人の流れ者のガンマン（ヘンリー・フォンダ）がやって来る。
そんな折、牧場主が殺され牛が盗まれたという噂が広まる。
保安官が不在で判事が反対しているのにも関わらず、町の人々は、権限のない保安官代理の判断をもとに、民警団を結成して犯人を追う。
殺された牧場主の牛を連れて野宿していた三人組（ダナ・アンドリュース）をみつけて尋問するが…

1998年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録された名作。
法をないがしろにして、自制心を失い感情的になった人間の恐ろしさを描いている。
西部劇では裁判をせずに住民たちが勝手に疑わしき人々を処刑する”私刑”のシーンが散見される。
裁判でも誤審は絶えないが、その裁判すら受けずに死刑にされた人々はさぞかし無念であろう。
果たして本作品の三人の容疑者の運命は如何に？
”法とは　正義や善悪についての人間の英知　人間の良心そのものだ　良心がなければ文明など育たない　神に触れられるのは良心を通じてのみだ　我々から良心を威張ったら　何も残らない”　

2023.3　NHK BSP で鑑賞（字幕：宮崎幸子）　
第15回ナショナル・ボード・オブ・レビューで作品賞を受賞（1943年）

• #ダービーの酒場と宿
• #民警団
• #私刑キンケイドの牧場
• #縛り首

牛泥棒。この言葉だけで、どれだけ想像を膨らませる事ができるであろうか。

牛がいて、その牛を泥棒が盗んで……。など限度はあるがある程度、考えられると思う。

しかしこの映画、その考えを裏切る事になる。


この作品に対しイーストウッドが自分の好きな映画であり、映画作りの模範とすべき西部劇だと何度も語っていることは言うまでもない。
主に〝奴らを高く吊るせ！〟では冒頭のシーンで主人公が首吊りをさせられリンチと死刑について訴えかけるものだが、本作品を引用しているのがよくわかる。

これは現代にも通ずる事であり、大衆がいる状況での人間の下衆の心理や死刑という重い刑の取り返しのつかなくなる理不尽さを訴えかけている。

僕の大好きなユーザーのkiritoさんが〝十二人の怒れる男〟に通ずるものがあると仰っていました。
〝十二人の怒れる男〟のように大衆に同情するのではなく、まず疑いから入り自分の意見を持つ事が1番大事なのかもしれませんね。

人間の恐ろしさを見せられる作品でした。