爆裂BOX

イタリアン・チェーンソーの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

イタリアン・チェーンソー(2005年製作の映画)
3.6
元恋人同士のオーロラとリノはドライブ中三人組の若者に襲撃されるが、通りがかった紳士アントニオに救われる。リノの手当の為二人はアントニオの屋敷に向うが…というストーリー。
カップルが通りがかった紳士に助けられてその屋敷に向うと狂人一家で酷い目にあわされるという正しくイタリア版「悪魔のいけにえ」という感じの先品ですね。ヒロインが狂人一家の屋敷から逃げ出して森の中をひたすら走り回るシーンや助けを求めた先が狂人一家の一員で連れ戻される所とかは意識してるんでしょうね。カッティングやライティングにアルジェント御大の影響も強く受けてそうですね。
冒頭から事故を起こした一家の母親が通りがかった車に助けを求めたら跳ね飛ばされて下りてきた運転手に石でボコボコ殴られて殺されるという展開で飛ばしてくれますが、そこからはしばらくゴア描写はないですね。ドラマ部分も冗長な感じで、別れたカップルの回想シーン挟まれたりしますが、特に意味ないですし。
主人公のオーロラは弟みたいな感じでリノに愛は感じないと言いつつやることやるビッチな感じで(アントニオにもあっさりキスするし)流石イタリアという感じでしたが、まあ、「悪い子」と言われりゃそうかもだけどあそこまでの目にあうほど悪い事はしてないんで普通に気の毒。未練たらしい感じが最初したリノは本作で一番気の毒でしたな。
後半ヒロイン捕まって連れ戻されてからはタイトル通りチェーンソー使ったゴア描写も出てきて登場人物たち持ちで真っ赤に染まっていく展開が繰り広げられます。舞台となる屋敷が借りものだからかちゃんとビニールシートしいてる所は笑えますが、チェーンソーで腕や足切り落としたり、チェーンソーで抉られた腹から内臓が零れ落ちそうになったり、包丁で喉切り裂いたりと中々過激で良いですね。首に腫瘍のある男の腫瘍握ったらブチュ!っと黄色い膿が顔に飛び散るシーンが汚らしくて良かったです。
前半で主人公カップル襲ったDQN三人組が後半屋敷に忍び込んできて結果的にヒーロー的な感じになるのは面白いですね。この三人組のやり取りもなんか面白かった。リーダーのセザルがイキリ散らして仲間も暴力ふるって従わせる所もあって常に暴力的なクズ野郎だけど、終盤地下室見て仲間の死を見てちょっとイイやつになる所面白いです。仲間の一人ジンジャーの着てるTシャツの表に「岡」の文字と裏に「本トンスオラヤ」と書かれてて気になりすぎました(笑)
狂人一家がえらい弱かったのも印象に残りましたね。アントニオもあっさり殴られて死ぬし(冒頭で石で顔ボコボコに殴って殺した彼が顔ボコボコに殴られて死ぬのは因果応報的で面白いですが)、奇形兄弟もアッサリやられるし。ママが一番頑張ってたな。レザーフェイス的な強い奴も一人欲しかったですね。人食い少年が最後以外活躍しなかったのはちょっと残念。
終盤地下室で登場する「アレ」はかなり衝撃的。というか普通に引きました。イタリアで子供にあの扱いはOKなのか?ママの口から語られる真相もかなりイカレてて身勝手でいい感じでした。その後迎えるラストは妙に切ないシンミリした感じで不思議な印象残します。息子がああいう行動に出たのはママが自分の事を「化け物」と言ってたからかな。
低予算で安っぽい所や話に冗長な所や支離滅裂な所もありますが、スプラッター好きなら一見の価値ある作品だと思います。続編の予告も棒ブログで見ましたが、もう完成したのかな?日本に入って来るかな?