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聖者の眠る街のRIOのレビュー・感想・評価

聖者の眠る街(1993年製作の映画)
3.5
ファンタジーとして見ても
いいかもしれない

美術学校で写真を学んでいたマシュー
お金がなくなり家も取り壊されて
都会の決まり事とかに嵌まって
行く当てがなくなる
N.Y 宿泊施設フォート・ワシントンへ
流れつくけど
眠っている間に靴を盗まれるような
ホームレスの生活は危険だらけ

幻聴に悩まされて精神分裂症で入院していた
マット・ディロンの内気な青年を
あれこれ構ってくるダニー・グローヴァー
の演技の感じが温かい

ワシントンで出逢ったジェリーと
その境遇から抜け出ようとする切実さ
社会不適合的な私には
他人事じゃありません
苦しさから這い上がるのに
二人が何んだかんだ文句を言いながら
夢を描いている
幸福ですね
この会話も良い話が多かった

マシューは
ちょっとポワンとしてて
何処でも誰にでも優しい

フィルムの入っていないカメラで
撮り続けるシャッターを切る音
何を撮っているのかが伝わってくる

久々に見た天使系だった
ささやかで
慎ましさに涙出た
マシューにはマシューなりの
ジェリーにはジェリーなりの
誰にでも奥底に眠っている魂
話しかけてくる


マット・ディロンは今までの作品で
一番残念に思っているのは
「聖者の眠る街」作品としてはよかったけれど
残念なことに観客はホームレスを扱った
映画に金を払おうとは思わなかった
あの役は本当に大変だったんだけどね」
と残念そうに振り返ってました
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