みおこし

僕の大切な人と、そのクソガキのみおこしのレビュー・感想・評価

3.8
しがない中年男のジョンの前に現れたのは、歳の近いシングルマザーのモリー。運命の出会いに2人は胸をときめかせるが、モリーにはサイラスという22歳の息子がおり、その彼こそ曰く付きの問題児だった...。

賛否両論の嵐を呼んでいますが、個人的にはこの『僕の大切な人と、そのクソガキ』という邦題があまりにツボで、今まで知った邦題の中でも一番というくらいウケてしまったので(笑)ついつい借りてみようと手を伸ばしてしまった次第です...!
ありがちなドタバタコメディと思ってあまり期待せずに観ていたのですが、冒頭からどんどんこのシュールな笑いに引き込まれていき、最終的にはかなりお気に入りの一本になってしまいました!(笑)
ジョン・C・ライリーの哀愁漂う雰囲気も最高だし、マリサ・トメイの年齢を感じさせない健康的な美しさも魅力!そして原題の'Cyrus'こと、ジョナ・ヒル演じる救いようのないメンヘラマザコン息子っぷりがもう圧巻...!!(笑)変にドタバタ路線ではなく、本当にこういう嫌な息子いるかも...と思わせる秀逸な脚本に唸りました。
靴を隠したり、ちょっとした嘘をお互いに吹聴したり、やることなすこといい感じにショボい嫌がらせだから余計リアル(笑)。
某シーンで、謎のエレクトーン?DJキット?を使って音を奏でながらジョンを凝視するサイラスのシーンがあるのですが、これはもう涙流して爆笑(笑)。ジョナ・ヒルのあの真顔がやばい!!

その一方で、主役ジョンの人生の再生の物語という意味でも、全体的に漂う空気感がすごくユニークな作品でした。
いつまでも前妻に頼りっぱなしで、決してコミニュケーション能力も高いわけではない醜男のジョンが、モリーとの出会いを通して次第に変わっていく様子が手に取るように分かって、改めてジョン・C・ライリーの演技力に圧倒される90分でした。
本作でいくつかの賞にもノミネートされているようですが、それも納得!
個人的にはHuman Leagueの'Don't You Want Me Baby'をみんなで踊るシーンの彼が好き!

タイトルからは想像もつかない一風変わった独特のシュールコメディなので、ちょっと乾いた笑いをお求めの方にはオススメ!
かなり久々に、邦題に惹かれて借りたら大成功だったパターンなので嬉しい!(笑)
ほんとこのくだらなさ最高!!
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