ジョージ・ミラーは二人いる。『マッドマックス』のオーストラリアのジョージ・ミラーと、『ネバー・エンディング・ストーリー』のイギリスのジョージ・ミラー。
では、この作品のミラーはどちらなのかというと、それがよく分からない。豪ミラーのフィルモグラフィーにはこの作品が無く、英ミラーの中にはある。では、英ミラーだろうと思うわけだが、番組表には豪ミラーとあり、共同監督のロッド・ハーディはオーストラリア出身。
では、内容で判断してみようと思うわけだが、イギリス人が漂着した先でサバイバル生活をしながら、現地人と異文化コミュニケーションを図り、島から脱出するお話。これまたなんとも判断しがたい、どっちつかず。
ここで一つの結論に至った。要するに「ジョージ・ミラー」という存在は、ドラゴンボールでいうところの「神様」と「ピッコロ」の様なものであり、おそらく本来は二人で一つの存在だったのだろう。それが『マッドマックス』を撮るにあたり、分裂したのがもう一人の英ミラーであり、すなわち豪ミラーは神なのであると。
となると、なぜ『マッドマックス』の後に『ベイブ』や『ハッピー・フィート』のような作品が生まれたかも説明がつく。その間のジョージ・ミラーはセル出現時の神様・ピッコロのように、要するに「神コロ様」化していたのだろう。その都度「ネイルはどこ行ってん」と思うのはさておき。
そう考えれば全ての合点がいくし、この作品にも多少の面白みを感じることができた。『キャスト・アウェイ』や『アポカリプト』が好きな方は、もしかしたら気にいるかもしれない。そして犬がかわいい。後、後半出てくる殺人ピタゴラスイッチが素晴らしい。