バンバンビガロ

異国の出来事のバンバンビガロのレビュー・感想・評価

異国の出来事(1948年製作の映画)
3.1
第二次世界大戦時の連合軍の空爆により徹底的に破壊されたベルリンの街を映すところから始まる本作は、ビリー・ワイルダーお得意の明るいコメディでありながら、それだけにとどまらないシリアスな要素を含んだ映画になっている。
ユダヤ系でドイツから亡命した過去を持つワイルダーは当時のベルリンの状況に思う所があったのか、映画で描かれる街の様子、進駐軍のふるまい、それに迎合する人々など基本的には軽いタッチのコメディでありながら少しの本音みたいなものが見え隠れするようなところもある。
ドイツ出身のマレーネ・ディートリヒ演じる歌手の女性のなかにも厳しい社会状況を生きる狡知みたいなものが描かれていて、一言でいうのが難しい複雑な味のする映画である。
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