みむさん

気狂いピエロの決闘のみむさんのレビュー・感想・評価

気狂いピエロの決闘(2010年製作の映画)
4.0
これ観たやつだ…と思いつつ、面白いので最後まで観てしまった。
邦題は気に食わないが内容には合致している。

エログロバイオレンスありでブッ飛んでるのにベネチア銀獅子賞(監督賞)&脚本賞なんだよね。意外だな?と思ったらその年の審査員長がタランティーノだった。納得😂

ピエロだった父を戦争で亡くした少年ハビエルが成長し泣き虫ピエロとなるが、サーカスの先輩ピエロのセルジオの妻に恋したことで、二人がいがみ合う。
それだけなんだけど、映画2本分くらいの濃さとテンションが詰まっていて面白い。

前半と後半でハビエルの印象が全然違う。何が泣き虫ピエロだ😂
先輩ピエロのセルジオは子供には人気あるけど、素の姿は暴力的、そんなセルジオの妻であるナタリアを救いたいっていうハビエルの英雄的映画かと思いきやとんでもない。

もうどっちも狂ってる。個人的な遺恨戦は大惨事引き起こす。
ハビエルはナタリアを救いたいはずが、テロリストと変わらないじゃないか。巻き込みすぎだろ!って思ってる暇なくガンガンやる。
ハビエルにボロカス瀕死の状態までやられたセルジオ「もう子供たちに好かれなくなってしまった」に一瞬同情してしまうが、それも束の間、彼も予想外の生命力で再び立ち上がる。

笑っちゃうくらいすごい戦いになってるが、冷静に考えると個人同士のいがみ合いから双方が復讐心メラメラになってる範囲極狭なバトルだし、もっと言ってしまえばナタリアが両方にいい顔してるからなんだけど。
スペイン内戦やらフランコ政権批判とか混ぜてるがそんなん忘れるくらいハチャメチャ。

ここまで収拾つかなくなったら手に負えないわ😂

どう着地するんだろ?と思ったらあのラスト。

面白かった。

アントニオ・デ・ラ・トレはやっぱり良いねえ。

終盤のピエロ宙吊りは「ダークナイト」のデジャヴだった。