一人旅

恐怖の魔力/メドゥーサ・タッチの一人旅のレビュー・感想・評価

5.0
ジャック・ゴールド監督作。

ロンドンを舞台に、殺人未遂事件を捜査する刑事が辿り着く衝撃の真実を描いたSFスリラー。

英国人作家:ピーター・ヴァン・グリーナウェイによる1973年発表のミステリー小説をイギリス/フランス合作により映画化した異色のSFスリラーで、フランス人のリノ・ヴァンチュラ、イギリス人のリチャード・バートン、アメリカ人のリー・レミック様(♡)がそれぞれ持ち味を発揮しています。

ロンドン在住の作家:モーラーが頭部を殴打される殺人未遂事件が発生。事件の捜査に当たるのは、英国で交換研修中のフランス人刑事:ブルネル。昏睡状態にあるモーラーが自宅に残した日記に基づいて捜査を開始したブルネルは、やがてモーラーの主治医であった精神科医:ゾンフェルド女医のもとを訪れる。そこでブルネルは彼女から「モーラーは自分がテレキネシス(念動)を使える特別な人間であると確信しており、事実、彼は両親や妻をテレキネシスで殺害したと語っていた」と伝えられる。ゾンフェルド女医の話をにわかに信じられなかったブルネルだったが、捜査を進めるうちに彼女の話を裏付ける出来事に遭遇していく―という“殺人未遂事件を巡る推理サスペンス”に“超常現象&ディザスター”を大胆に組み合わせた作風が特色で、モーラーが引き起こしたとされる過去の惨劇をゾンフェルド女医の証言により紐解いていきながら、昏睡中のモーラーを巡る驚愕の真実に辿り着いていくブルネル刑事の孤軍奮闘を描いています。

殺人未遂事件の目撃者や関係者への聴き取りを中心とした硬派な捜査劇の進展と共にその存在が現実味を帯びていく超能力の恐怖に戦慄するSF推理スリラーで、『エイリアン』(79)、『エイリアン2』(86)、『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(80)の特殊効果を手掛けたブライアン・ジョンソンによるクライマックスの大掛かりなSFXは迫力&リアリティー万点ですし、マイケル・J・ルイスによるミステリアスな音楽も強烈な印象を与えています。

蛇足1)
本作における超能力の取り扱いは『ブライトバーン/恐怖の拡散者』(19)を連想させます。
蛇足2)
さらにお綺麗なリー・レミック様を見たい方は『テレフォン』(77)をお勧めします。
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