千利休

神曲の千利休のレビュー・感想・評価

神曲(1991年製作の映画)
4.6
「これは映画であって、現実ではない。映画とは何か?それは幻影だ。人生そのものではない。しかし一方で人生というものも存在しないものだ。それもまたひとつの幻影にすぎない。書物もなく、歴史家もおらず、記憶が残ってないとすれば、いかなる痕跡も残らないだろう。瞬間はただ過ぎ去るだけだろう。忘却と闘うためには人は驚愕したものを再生する必要がある。起こったことを友人に語る。その友人が誰かに語る。出来事をそっくり再現することもできる。それが演劇だ。しかし、演劇的な再現もまた、人生と同じく逃げてゆく。映画はそこに定着という新しい要素を付け加える。映画は撮影されたものを定着する。そこには洞窟の中に描かれた原始的な絵画に通じるものがある。映像を定着させようとする意志だ。」(監督インタビューより)
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