オリヴェイラによるメタフィクション作品。
観賞後、真っ先に思い浮かんだのはトーマス・マンの『魔の山』。もっとも本作は、ヨーロッパ社会全体ではなく「キリスト教」に焦点を絞っている
○着想はダンテの『神曲』かな?と思ったけれど、解説にあるオリヴェイラの発言通り「現実」を描いたファンタジーとは対極の映画だった。
○失楽園後、聖テレサとして生きる事にしたイヴ(役)と人間的に恋慕するアダム(役)。自ら復活を待望するラザロ(役)。実存主義を履き違えた現代人の生き写しのようなニーチェ(役)や最後まで救われないラスコーリニコフ(役)とソニア(役)。そして重要な役割を果たすカラマーゾフ(役)の2人と院長先生…
といった大まかにキリスト教関連とされるエピソードが【精神病院】という閉鎖的な空間で演劇的に展開される
途中、精神病者による劇中劇なのか現実なのか判別がつかなくなりますが、ラストのカットにて「あぁ、これは『映画』だった」となりました
ポルトガル映画…これを機に色々観てみようかな🤔