猫脳髄

ザ・コールド 人肉嗜食者達の晩餐/ザ・ゲーム 殺意のリゾートホテルの猫脳髄のレビュー・感想・評価

1.2
何が「人肉嗜食者」だ。食あたりの生ゴミ映画じゃねーか。一介の鑑賞者に過ぎない私でも、製作陣の才能を疑ってしまうクオリティで、1984年製作とは到底思えない。60〜70年代の独立系エクスプロイテーション映画といわれても疑わないほど時間が止まっている。

ただ監督のジム・レバーンは業界歴も長く(キャリア初期には360度上映システム(シネタリウム)のパテントで財を築いたらしい)、低予算ながらブロックバスターとなった「ジャイアント・スパイダー/大襲来」(1975)なども手掛けている(※1)。

暇と金を持て余した3人の大富豪が、孤島のリゾートホテルに若者たちを集め、賞金をめぐるデスゲームを開催するという趣向。ちゃちなお化け屋敷のような仕掛けのコケ脅しで若者たちが逃げ惑うので、こちらの心はどんどん冷え切っていくし、何度か仕掛け人として姿を表す富豪たちのテンションにもイライラする。演者が悉く大根でつらい。

しかも何の説明もなく怪人物がフレーム内をウロウロしており、誰も気がつかないうえに、さらにそいつともテイストが異なる第2の怪人まで登場して収拾がつかない。そしてクライマックスではついに観客無視でツイストをかけまくるため、理解が追いつかない(※2)。製作側が気持ちよくなっちゃったのがわかって寒気がする。

ただ、デスゲーム作品としてのフレームは案外整っており評価できるが、それ以外はゴミ。「人肉嗜食者」は登場しないものの、人を食った作品であることは間違いない(うるせぇよ)。

※1 60年代にはかのハーシェル・ゴードン・ルイスとも絡んでいるが、それはまた別の機会に
※2 「混乱してきましたね」とかいうナレーションまで入れちゃってうるせぇよ
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