KanataAndo

天才画家ダリ 愛と激情の青春のKanataAndoのレビュー・感想・評価

4.0
これがどこまで実話かどうかはわからないけど、ジプシーと呼ばれ非難された者たち、同性愛者へ偏見の時代背景がしっかりと描写された心苦しい作品。
同性愛者に対する偏見が当たり前だった頃のダリはきっと、自分の本心に嘘をつき心を壊しながら、世間の賞賛を得ることで保っていたのだろう。でも心が本当に求めているものには嘘はつけず、どこかでそれが現れてしまうし、2人の間だけでは、わかり合って埋め合わせがしたかったようにも見える。
海でのシーンは、本当に綺麗な描写で、心奪われた。
有名な芸術やアーティストは、その時代や反社会的な表現をしてきた人達が多く、私にとっては興味深い。

自由を求めて正義を主張すれば、革命を起こす事になり、また争いが起こる。何故人間は戦わずしか得られないのか。どうして違いを排除しようとするのか。違う宗派や思想やセクシャルであったとしても、同じ人間だ。どうして尊重し合いながら、共存出来ないのか。それが人だ。悲しいことに、どこへいってもどこまでも、これが人間のたどってきた軌跡で、きっとこれからも変わらないのだろう。
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