ちろる

天才画家ダリ 愛と激情の青春のちろるのレビュー・感想・評価

3.5
ダリのこと好きだけども、ダリ展も隅々までじっくりと観たつもりだったけど、彼にこんな痛々しい恋の物語を隠していたのだとは知らなかった。
ロルカとダリの水の中のシーン、この世で2人きりになれる唯一の瞬間だった。
とても美しかったのに、2つの魂は世間の視線に勝てるほどの勇気を持ち合わせなかったのだろう。
この作品、正直言えば途中まで非常に退屈で、なかなか引き込まれなかったけど、ロルカとダリ2人の危うい空気が描かれ始めると、途端に詩的な映像と、言葉のやりとりがこの作品を彩りはじめた。
先に書いた水の中のシーン、そしてロルカとダリの間接セックスシーンを含めて印象的なシーンがあるのがこの作品のことが嫌いになれない理由。
でもやっぱり退屈なシーンも同じくらい多いから難度も観たいとは思わない。

ロルカとの関係はダリ本人も認めているとのことたけど、どこまでが史実に忠実かは分からない。
だけど、ロルカの喪失と少しの後悔がダリ自身の芸術家としての道をより開かせたのだろうと感じずにはいられなかった。
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