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氷柱の美女のmitakosamaのレビュー・感想・評価

氷柱の美女(1950年製作の映画)
2.8
デアゴスティーニで初鑑賞。岡譲二が明智小五郎の、吸血鬼の映画化ね。
この時代のミステリの映画化にしてはしっかりしてる方かしら?エログロと怪奇趣味でミステリになってない映画もあるからね。
とはいえ乱歩特有の大雑把な感じも多いかな。
密室のトリックに秘密の抜け穴なんて昨今じゃ通じないもんな。

話の展開としては、肝心の明智が中盤まで出てこない。結構じらすんだよな。その代わりに序盤から原作通り、明智の恋人で秘書の文代が出てくる。
文代が間違えた推理を後押しして、いわゆるミスリードになってるね。こういうのは定石通り。
でも映画としてシリーズ物ではないし、実際に今作以外は作られない。ぶっちゃけ文代はアレンジして外すこともアリだったっと思う。でも文代が出て絞まってるな。
また、文代がハスッパで可愛いんだ。明智に対してズケズケ言うのが良い。チェックシャツにパンツで活発。ハッキリ言ってヒロインより可愛い。

明智はクールでかっこいいが、岡譲二のおっさん臭さもだいぶ薫り高い。

タイトルの「氷柱の美女」は映画オリジナルとのことだけど、
後のテレビで美女シリーズに引き継がれるらしい。タイトル付け方は上手かったかも。
ただ肝心の吸血鬼要素が落ちたのはしょうがないかな。シルクハットにマントの犯人の格好が浮いちゃうのは致し方あるまい。

明智小五郎好きなら観なければならない1本かしら。
ただ大映特撮DVDコレクションの1本だけど、特撮色はほとんど無いな。
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