真魚八重子

ロング・ウィークエンドの真魚八重子のレビュー・感想・評価

ロング・ウィークエンド(1978年製作の映画)
5.0
ピーター・ウィアーの流れなのでは、コレは。『ザ・ラスト・ウェーブ』をずっと思い出していたけれど。オーストラリアの自然は太古の呪術と勝手に結びついている。
関係性がギリギリの夫婦が、なんとかやり直そうとキャンプへ行く。ただ行きたいのは夫だけで、妻は連れられていくだけ。
夜中にはイヤというほど動物の鳴き声がする。齧歯類のわけのわからないやつがテーブルの葡萄を食べている。菌は大丈夫なのか。海では黒い影におびえて射殺するとジュゴンだ。殺す必要はあったのか。
妻は何度も「帰りたい」と言い、二人は喧嘩となる。ほぼ夫による監禁状態に近い。ずっとキリキリとした怒りの緊張が続く。
『ザ・ラスト・ウェーブ』も本作も、自然の中にいると人間は狂っていく。『モスキート・コースト』も、と書こうと思ったら、これもピーター・ウィアーだった。
真魚八重子

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