前半の陳腐なソープオペラ風の作風から一変して、後半の見事に組み立てられたストーリーに驚いてしまった。
公開から70年たっても生き残っていることが納得できる作品。
この手のミスリードを誘う設定は後で反芻してみると矛盾点が出てくるのだが、今作は実に見事に作られていて、法廷制度の裏をかく作戦や主役二人の感情の動きまでこのサスペンスを組み立てる骨組みとなっている。
なぜ最初から事件担当となるピアスを狙わなかったのかと思ったが、最初はエメラルドの盗みだけが目的で、外部の者の犯行と思わせる為の偽装。
裁判などは当初の計画に無いアクシデントなので、矛盾は無い。
今ハリウッドでリメイクしてもかなり良いものが出来そうだが、今までリメイク作が無いのが不思議だ。
巨大なシープドッグが助手席に鎮座しているシーンがたまらなく可愛くて見所。