みんと

血ぬられた情事のみんとのレビュー・感想・評価

血ぬられた情事(1949年製作の映画)
3.8
予想外に良く出来た作品だった。
何やら怪しげなタイトルから連想する泥沼不倫的なイメージは無かった。
むしろちょっと切ないやり切れなさすら、、、

有力者の娘を妻に持ち悠々自適な生活を送る地方検事クリーブ。ある日叔母の家で強盗未遂事件が起きたと相談に来たテルマと付き合うようになるが、、、

表向き容疑がかかったテルマの無罪を勝ち取る為のあれやこれやは、緻密さとか頭のキレとかとは無縁。
サスペンスフルな展開と心情描写に重きを置いての終盤の展開なんかは意表を付かれる。そして思いもよらない感情へと導かれる。

観ていて何処か途切れ途切れになる感覚はあれど、ノワール感たっぷりの雰囲気と展開はかなり好み。ただ、欲を言えば主人公クリーブの魅力不足と言う辛口な感想。

そして沸き起こる絶望的な“ああぁぁ...“の感情は個人的には結構好き。
みんと

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