K

血ぬられた情事のKのレビュー・感想・評価

血ぬられた情事(1949年製作の映画)
5.0
大好きなバーバラ・スタンウィックが主演。はじめのほうはちょっとコメディチックだったのが徐々に大変なことになってゆく。バーバラが車の助手席にもっさもさの犬を乗せて登場するところなどたまらない。法廷映画としても素晴らしくて、法廷に立つ検事の男が女の罪をそうと知りながら、愛する女の無実を負けとるために、あえて過剰な憎しみを込めて女の罪を責め立てる。つまりは陪審員たちの同情を誘う作戦で、この罪深き女を死刑に! とか何とか過激なことを言って陪審員たちに裁きを下すことへの怖ろしさを感じさせるという。女の無実を負けとるために、あえて女を厳しく口撃する検事の男の引き裂かれた気持ち、そのいっぽうで男のなかにも残っている検事としての良心が女への愛とのあいだで引き裂かれてゆく。
K

K