爆裂BOX

夕闇にベルが鳴るの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

夕闇にベルが鳴る(2006年製作の映画)
3.2
ベビー・シッター中のトリシアの携帯電話に非通知電話が執拗にかかってくる。最初は恋人マットの仕業かと思うトリシアだが、次第に不安になり警察に逆探知を依頼し…というストーリー。
「夕暮れにベルが鳴る」のリメイク「ストレンジャー・コール」に便乗したThe Asylum製のスリラーです。監督は同じくThe Asylumの刑務所舞台にしたゾンビ映画「デッドマンズ・プリズン」のピーター・マーヴィス。劇中で主人公が見てるテレビにチラッと「デッドマンズ・プリズン」映りますね。
ストーリーは元ネタの「夕暮れにベルが鳴る」やその大元のネタである都市伝説そのままですね。この都市伝説は長編よりも短編の方が向いていそうですね。「電話をかけてきた犯人は実は○○にいた」というオチが、犯人が近くで見ているとしか思えない内容の電話をかけて来たり、実際に近くに居る描写あるせいで逆探知した警察からの電話かかってきて真実知らされても見てるこっちには衝撃が感じられないという。そのせいで無駄に長く感じる所はありますね。
今作では、冒頭から一家惨殺シーンがあったり、ベビーシッター頼んで出かけた夫婦も殺されたり、隣人のおじさんや主人公の彼氏とそのバカ友達と彼女と犠牲者要員が多くて殺害シーン多めなので割と飽きずに最後まで見れました。その点は「ストレンジャー・コール」より好きかも。主人公まともそうなキャラ設定してるつもりかもしれないけど、シッター先の家に彼氏呼んでる時点で何考えてんだこいつって感じです。
殺人鬼の殺害方法はほ刺したり、口から後頭部まで貫通させたりと包丁だけで殺していくので殺人のパターンは少ないですが、包丁一本で作中で10人以上血祭りにあげてるのは結構凄いかも。駆けつけた警官までアッサリ殺す所は警官弱過ぎと思いましたが。また、「デッドマンズ・プリズン」でもそうでしたがこの監督は子供に容赦ない。流石に直接的な描写は無いですが、最初の一家の子供やシッター先の子供など惨殺死体を容赦なく映します。モリ―結構かわいい子だったのに…
犯人は主人公の番号知ってる段階で顔見知りだろうなと思いますし、主人公の会話やニュースなどでこいつだろうなとすぐピンときます。その動機もかなり身勝手でサイコでイラつかせますね。犯人の正体や動機が明らかな分、「ストレンジャー・コール」や「暗闇にベルが鳴る」の様な最後まで動機も正体もわからない不気味さはないです。ねちっこく犠牲者をいたぶる所は陰湿さを感じさせて良かったです。
ラストは呆気なかったですね。
The Asylum作品らしく、ストーリーは大したことないですし、グロ描写もチープで大したことないし主人公のルックスも…ですが、The Asylum作品の中では普通に最後まで見れる作品だと感じました。