adeam

ニックス・ムービー/水上の稲妻のadeamのレビュー・感想・評価

2.0
癌で衰弱していく映画監督ニコラス・レイの日々を観察したヴィム・ヴェンダースの半ドキュメンタリー。
共に本人として出演もしている共作であり、後に晩年のアントニオーニの映画制作をサポートしたり、数多のドキュメンタリーを撮ることになるヴェンダースにとっては、内容以上に今作に取り組んだこと自体がキャリアにおいて重要な意味を持ったであろうことは想像に難くありません。
フィクションとドキュメントの狭間を行き来する構成は死という眼前に迫り来る現実を有耶無耶にしようと試みているかのようで、カメラを向け続けることへのヴェンダースの戸惑いと、カメラを向けられ続けることへのレイの覚悟が交錯する様は見応えがありました。
外的要因や制作背景ありきな気がするので作品単体では評価がし難かったです。
adeam

adeam