イライライジャ

タカの獲物のイライライジャのレビュー・感想・評価

タカの獲物(2016年製作の映画)
3.2
内務大臣の息子を誘拐し、息子を亡くした誘拐犯と少年が逃亡しながら旅をする。インド版『パーフェクトワールド』のような映画と思いきや、インドの政治の闇や社会問題に切り込んだ作品だった。
2人のあいだに少なからず絆は生まれるが、所詮他人の子という壁を誘拐犯から感じるのが好感持てる。
イルファンカーンの無口だけど心から悪い人じゃない雰囲気が抜群で、少年もその空気をどこかで感じているのが伝わった。自分の息子は二度と戻らないからせめて同じことが起きないようにと、身代金などの要求はしない。でも真相がわかったとは言え、インドの問題は何も変わらずこれからも続いてくなんて、なんて虚しい話。
人はみんな日々の事故のニュースなどを流し観ているけども、当事者の家族からしたら一生忘れることの出来ない出来事だということを忘れてはならない。