爆裂BOX

ルール6の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ルール6(2005年製作の映画)
3.7
国語教師に恋心を抱いている地味で嫌われ者の女子高生タマラは、クラスメイトのいじめにより命を落とす。しかし翌日、森に埋めたはずのタマラが美女に変身して教室に現れ、クラスメイト達は驚愕する。そして、彼女の復讐が始まる…というストーリー。
邦題には「ルール」とついてますが、「3」以降のシリーズと同じく「ルール」とは関係ない勝手に続編にされちゃった作品です。当然ながら都市伝説なんて関係ない学園オカルトホラーになっています。
主人公のタマラは黒魔術に傾倒する地味な女子高生で、国語教師のナトリーに恋するも彼は愛妻家で振り向いてもらえず、更にタマラの描いた学園新聞のアメフト部に蔓延する薬物疑惑記事により、検査を受けさせられることを恨んだアメフト部員たちにイジメられる毎日。ある日、ナトリーの名を騙ったいじめっ子たちのドッキリにかけられて暴れた際に事故死してしまい、発覚を恐れた彼らに森に埋められるも黒魔術によりセクシー美女になり復活。いじめっ子たちに復讐を始めるという内容です。
前半のタマラが不幸にも死んでしまうまでの流れで主要キャラクターの廃毛気を組み込んだり、復活したタマラの豹変具合を描く流れも上手いですね。タマラが復活する理由等もストーリー上でちゃんと伏線張ってあるのも良いですね。
タマラによる復讐方法も、腕から蛆がボロボロ湧き出してくる幻覚見せたり、操って剃刀で耳や舌先を切り落とさせたりとちょっとグロいです。相手の顔に触れて相手の過去の記憶見たり、自分の思いのままに操る能力はほぼ無敵ですね。いじめっ子のアメフト男子二人を操ってホモ展開にする所は笑ってしまった。
前半のタマラに仕掛けるドッキリが最低で悪質すぎてタマラに同情して復讐展開も「やってやれ!」と思ってしまいます。ドッキリだと知らずに普通のパーティだと思って巻き込まれたジェシーとクロエ、ロジャーは可哀想だったけど隠蔽に加担しちゃったからなぁ。でも、タマラも復讐よりもナトリー先生を自分のモノにする方が主目的になっていくんですよね。
タマラを演じたジェナ・ディーワンの変貌した後のセクシー美女ぶりも良かったですが、豹変前の地味な時から普通に可愛かった。ナトリー先生も言ってたけど(そういう意味ではないんだろうけど)豹変前の方が好みでした。チャニング・テイタムの元嫁さんなんですね。ただ、セクシー美女に変貌するけど直接的なエロ描写が全然ないのは残念。
マシュー・マーズデン演じるナトリー先生も、生徒思いで愛妻家のいい先生でした。
原題でもある様にタマラが主人公ではあるんだろうけど、ナトリー先生と奥さんやクロエとジェシーも同じくらい比重多く描かれるのでちょっと誰が主人公なのか解り辛い所はあったかな。
終盤、クロエの記憶を覗いて動揺する所は人間らしくて良かったです。そこで正気に返ったアッサリ終わるのかと思いましたが、そこからの展開と最後のナトリー先生の男気溢れる行動にはちょっと驚かされました。落ちる時、タマラ悲鳴上げてたけど、ああいう形とはいえ一緒になれたから彼女にとってはハッピーエンドと言えるのかな。最後まで可哀想な少女だった気がします。
最後のオチはちょっと意味不明だったな。彼女に乗り移ったって訳でもなく、自分が新たに黒魔術使おうと思ったのかな。
B級学園ホラーとしては良質な掘り出し物と言える作品ではないかと思います。学園ホラー好きなら一度見て見ても良いのではないでしょうか。「ルール」のタイトル冠さなくても良かった気がするなぁ…