てつこてつ

レイトオータムのてつこてつのレビュー・感想・評価

レイトオータム(2010年製作の映画)
3.2
7年前に幼馴染みとの駆け落ちに失敗し、暴力を振るわれた挙げ句に夫を殺めてしまった華僑のヒロインが母の葬式参列のために一時的に仮出所を許される。そんなヒロインが出会ったのは、金持ちマダムたちを相手にする韓国人ハスラー。最初は彼に対して心を閉ざしていたヒロインも、一緒に時間を過ごすうちに徐々に心を開いていく・・。

韓国・香港・アメリカ合作らしく、舞台はシアトルだし、タン・ウェイ演じるヒロインと、この作品が映画初主演だというヒョンビンの役柄上の国籍も違うので、二人の会話は全部英語で行われるという設定も新しい。

タン・ウェイもヒョンビンの英語の台詞も必要にして十分上手いし、さんざん女慣れしているハスラーがヒロインに惹かれる描写も、タン・ウェイの美しさと、殺人という大罪を重ねた者ならではの悲哀に満ち満ちた表情の演技で納得が行く。タイトル通り、晩秋のシアトルの街並みの描写も秀逸。

ただ、タン・ウェイが抜群に上手いだけに、ヒョンビンの演技が個人的には、まだ物足りない。ヒロインの母の葬式後のレストランシーンで、今は既婚者となった駆け落ちする筈だった幼馴染みを演じた俳優の演技が短いシーンながら輝いていたので、それ以降、バス停の下りあたりから、ちょっと流れがクドく感じてしまった。

ヒョンビンファンの方ならもっと楽しめるかも。でも、このリーゼントヘアは無いと思うなあ。
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