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レイトオータムのtaominicocoのレビュー・感想・評価

レイトオータム(2010年製作の映画)
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ヒョンビン沼からの鑑賞。が、本作をミーハー気分で観た自分を恥じました。

ヒョンビン出演作を全て観れてはいないけど、暫定ナンバーワン。
(『愛の不時着』はレジェンド)

韓国の名作『晩秋』、日本の『約束』を経て、シアトルを舞台にした本作『レイトオータム』。

夫殺しの罪で服役中の女と、たまたまバスに乗り合わせた男の大人のラブストーリー。3日間、78時間の中で揺れ動く、男女の心情が静かに熱く描かれます。

『晩秋』のフィルムが焼失して観れないのはとても残念…。『約束』は近いうちに観なくては!

ヒョンビンのファンである前に映画好きの立場から、違和感を感じたところもシビアに記そう思います。

本作は、間違いなく、タン・ウェイありきの作品でしょう。なんかもう、言葉にならないぐらい素晴らしかった。

歯車が狂った自分の人生を夫を殺害することで終止符を打とうとしたアンナ。

諦めと悲哀しか感じられないアンナの佇まいは、独特の美しさと魅力がありました。

アンナに釘付けで、ヒョンビンを観てなかったぐらい。それほど、タン・ウェイの演技がズバ抜けていました。

ヒョンビンは……役が合っていなかったかなぁというのが正直な感想です。

ヒョンビンが演じるフンにも恐らく、故郷を去るだけの苦い過去があり、目標のために男娼まがいのホストをせざるをえなかった。抱えた影が、何かあるはず。

ヒョンビン個人の清くて良い性格が隠しきれなかったのかなぁ……。

複雑であろうフンという男の人間像が掴みきれず、消化不良に感じました。

タン・ウェイの演技が上手すぎたから気になっただけで、相手役が違っていたら感じ方は全く変わっていたと思います。

個人的にめちゃくちゃタイプの作品なので、そこがすごく口惜しい。

とはいえ、ヒョンビンをミーハーに追いかけていたおかげで、こんな良作に出合えてほんとに幸せ。

アンナがラストで呟いた「久しぶり」。
あの声色の余韻に浸っています。
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