殺人ネコが次々と人間を襲うホラー作品なのだがネコ大好き人間としてはなんだかどっちつかずな作品。
無理矢理黒猫を怖く見せようとしてるのだが夜間の猫の目は真ん丸でめちゃ可愛いのだ。
劇中の目は照明を当てて縦目に無理矢理してるので舞台裏が透けて見える。
猫による犯行もピタゴラスイッチのようにキッカケを与えるだけで後は人間が勝手に死ぬパターンが多いのでイマイチ怖さに繋がらない。ゴアメイクや残酷映像はそれなりに頑張ってはいるのだがまったりして展開と猫の威嚇に過剰に恐れる人間にちょっと冷めながら終始観てる印象。
野心的な試みではあるが役者の演技と巧みな撮影法をもってしても猫の可愛さを消して恐怖を与えるのは巨匠ルシオフルチをもってしても不可能であったか。
猫目線の低いカメラアングルや強烈な目のアップを多用したカット等良いところは多数あるだけにもったいなかった。
超能力者のマイルズのインパクトが強く主役であるはずのグローリー警部やカメラマンのジルの印象が薄れる。
彼の熱演は時計仕掛けのオレンジで既に観ていたので見覚えがあった。
ジルもダリオアルジェントの4匹の蝿で観ていたので見覚えがあった。どちらも芸達者。
マイルズの元妻の焼かれる人形による特撮がよく出来ていて素晴らしい。
Blu-rayのメイキングではないが特典映像が豊富なので本編を掘り下げるのにも当時の製作風景を感じ取れる。