あきしげ

ルチオ・フルチの 恐怖!黒猫のあきしげのレビュー・感想・評価

2.0
黒猫の本気をみた。

良かった点。

・ルチオ・フルチ監督のスプラッター
・黒猫が睨んで吠える描写は恐ろしい

悪かった点。

・全体的に唐突な展開
・とりあえず殺される
・霊媒師がうさん臭い

エドガー・アラン・ポーの同名短編小説が原作。
エドガー・アラン・ポーは有名な恐怖小説の人。
エドガー・アラン・ポーは一度は言ってみたい。

監督はスプラッター映画の巨匠ルチオ・フルチ。
イタリアンなスプラッターは強烈なインパクト。
『サスペリア』の人体破壊は素晴らしい芸術品。

この二人がタッグを組むなら期待を持つ。
しかし、現実というヤツは甘くないです。

ルチオ・フルチ監督は暴走しました。

映画というのは準備運動から本編が始まる。
本作は再生を押した瞬間から本編が始まる。
心の準備ができないままいきなり突入する。

再生を押してから2分以内に人が死ぬ。
これはこれでなかなかの衝撃作でした。

本作は80年の作品だが、時代を感じさせる。
最大の特徴は異常なボリュームのBGMです。
個人的なイメージだと70年代の使い方かと。
雰囲気を完全にぶち壊すBGMは逆に醍醐味。

エドガー・アラン・ポーの小説とは思えない唐突さ。
本編の始まり方もそうだが、すべてが唐突な感じで。
普通なら伏線や布石というモノがどこかにあります。
ですが、本作にはそれが薄い感じで置いてあります。
だから何かが起きると唐突にしか感じられないです。

これが本作の魅力と言ってしまえば終わりだが。

ルチオ・フルチ監督のスプラッターも控え目でした。
エドガー・アラン・ポーの原作を意識したのだろう。
結局、本作は両者の良いところを潰しただけの作品。
あきしげ

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