爆裂BOX

ギガンテスの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ギガンテス(2006年製作の映画)
3.4
米軍が極秘で作り上げた巨大生物が輸送中ロシアン・マフィアに襲撃され強奪される。軍上層部から回収の命を受けたレイノルズ少佐率いるデルタフォースは現場である湾岸部の廃倉庫に向うが…というストーリー。
ロジャー・コーマン御大製作のサソリモンスターとコマンド部隊が戦うモンスターアクションです。
軍が極秘で開発した生物兵器の輸送部隊を犯罪組織が襲撃し強奪→湾岸地帯の倉庫で開放して怪物登場→捕獲を命じられたコマンド部隊が派遣され、最後は貨物船の中で対決という前回レビューした「ダイナソー・クライシス3」の脚本がそのまま流用されています。実質リメイクと言っていい内容ですね。本当に何から何まで同じで、応援に派遣されてきた部隊(こちらはNATO軍)の女兵士と唐突に腕相撲大会始まって割と長めの尺で描かれる所まで同じなのは思わず笑っちゃいました。
本作に登場するモンスターギガンテスは、サソリとゴキブリの遺伝子を掛け合わせ、人間の遺伝子もトッピングしてチタン製の外骨格を持つという欲張り設定。更に最初の方では毒を注入した人間をゾンビに変えてしまいます。思わぬゾンビ要素はちょっと嬉しかった。外見もちょっと機械チックな印象受けますし、珍しくジャケ通りの奴が出てきます。アップのシーンでは模型使って全体像はCG使ってますが、CGの出来も及第点はあるんじゃないかな。チタン製だからか銃弾も栄養として吸収しちゃうという設定ですが、その割には登場人物バリバリ銃撃ちこんでたな。
コーマン製作らしく人間の上半身千切ったり、首引きちぎったりなどのゴア描写もあります。
ジェフ・フェイヒーは主人公のレイノルズ大差を演じています。ヒロインの女博士は「ダイナソー・クライシス3」と同じく上から目線で強固に捕獲主張して、死者が出ても変りませんが、怪物の事話すとき自慢げな感じとかマッドサイエンティスト感出ててオリジナルよりも嫌な奴になった印象受けたな。流石に終盤では反省して殺していいと言いますが。オリジナルのポウチェックの役割のイエーガーはポウチェックよりも堅物な感じになったな。彼と何かと絡む女兵士ドキッチが、腕相撲大会の時はえらいしゃくれて顔芸見せたりと一番キャラ立ってたかも。結構かわいいんだけど。終盤でいきなりイエーガーとキスしたかと思ったらすぐ言い合いみたいになるのはちょっと意味わからなかった。でもあの最期はむごすぎる…
「ダイナソー・クライシス3」よりは軍人のバカさ減ったかなと思いましたが、前述の腕相撲したり、神経ガス吸って瀕死の仲間救う為とはいえサソリの血(どんなウイルスにも効く効果あるらしい)注射して助かるもその後案の定な結果になったりと此方も結構バカではあります。
ラストの女王サソリの倒し方も同じですが、ティラノのハリボテの頭部破裂見せてくれた「ダイナソー・クライシス3」と比べるとCG爆発で処理されてるのは味気なく感じました。
モンスターパニック・アクションとしてはこちらも普通に楽しめる作品だと思います。「ダイナソー・クライシス3」と比べてそのそっくりぶりを楽しんでもいいかも。