Angeprunelle

トゥルー・カラーズのAngeprunelleのレビュー・感想・評価

トゥルー・カラーズ(1991年製作の映画)
3.5
Boyz II Men―The Color Of Loveの歌詞が思い浮かぶ。

彼らのハーモニーのように美しく優しく
輝きを放つ物語ではないけれど
磨かれる前の宝石の原石みたいに
まだ見えぬ輝きを秘めている。

現代の厄介者は即刻切り捨て
過ちをおかした人間は集団で叩きのめし
セカンドチャンスは与えない
都合の良いものだけを選択し
都合の悪いものは排除する
そんなことが常な世の中では
こんな友情は実に滑稽で
魅力的に映らないのかもな。
そう思うとなんか虚しいな。

育った環境も生き方も価値観も欲望も全く違う
個性を持った人と人が関わるってことは
根本的に厄介で面倒くさいものだけど
そんな相手と関わり続ける事で
人と人は少しづつ本物の友人に近付けるってこと。

SNSやなんかで繋がったから友達ってわけじゃないし
プロポーズに成功したから婚姻届書いたから
夫婦ってわけでもない。
子供が産まれたから親ってわけでもない。

厄介な相手と厄介な時間を共有し続けるってことが
本当の意味で人と人とを繋ぐんだ。

傷付けたり傷付けられたり
裏切ったり裏切られたり
疑ったり疑われたり
過ちをおかしたり
本気で憎み合ったり
本気で喧嘩したり
どうしてもわかり合えない部分があったり・・・
それでもなお傍に居てくれたり
それでも見捨てないでいてくれたって事から
人は人を愛する心や大切にする心や
赦す心を育むんだと思う。

厄介なことや面倒なことの中には
実に大事で貴重なものがたくさん詰まってる♬

こんな世の中だけどこんな世の中だからこそ
厄介なことを避けて通ってばかりいちゃいけないんだよなと思う。

地味だし綺麗な友情に見えないけど
それでもこれは本物の輝かしい友人関係になる為に
彼らが通る道であるんだろうと思う♡

このラストはまだまだ通過点にすぎないんだ。
Angeprunelle

Angeprunelle