爆裂BOX

ハウスの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ハウス(2008年製作の映画)
3.7
車の運転中、事故に遭ってしまったジャックとステファニー。一見の宿に辿り着いた二人はそこで一組のカップルと出会う。やがて宿を経営する気味の悪い三人家族が現れて…というストーリー。
全米でヒットしたベストセラーを映画化したホラーです。多分、原作は邦訳されてないんじゃないかな…
奇妙な家族に促されるまま一緒に食事をする4人ですが、突然家の外に「ブリキ男」と呼ばれる銃を持った男が現れ、「生き残りたければ夜明けまでに4人のうち一人を殺せ」というハウスルールが書かれたブリキ缶が投げ込まれ、更に三人家族も襲い掛かってくる中屋敷を逃げ惑うという内容です。
このジャケとタイトルだと少女の幽霊が出るハウスホラーっぽいですが、不気味な屋敷の住人が現れて襲いかかって来てからは「悪魔のいけにえ」みたいな田舎怖いホラーかと思わせて、更に屋敷の外にはブリキの仮面付けたブリキ男がうろついて「4人の中の一人を殺せ」というハウスルールを送ってくるなど「SAW」等のシュチエーション・スリラーの趣も窺わせます。
しかしそこから屋敷の中を逃げ回るうちに4人は自分の過去に犯した罪と対峙させられ翻弄されていくスーパーナチュラルな心理スリラーな展開になっていきます。屋敷からの脱出を目指しながらそれぞれの罪と向き合わされて翻弄され、更にドッペルゲンガーや彼らを助けてくれる謎の少女まで現れて、正直かなり詰め込み過ぎな感じはありますが、結構飽きずに見れました。ブリキ男は最初凄い脅威みたいな感じ屋敷の家族が言ってましたが、屋敷の周りうろついて積極的に襲ってくるわけじゃないから怖さはなかったな。
マイケル・マドセンが地元の保安官役で出演しており、チョイ役かと思いきや終盤では流石の悪役演技見せてくれました。ビル・モーズリーも屋敷の主人役でこういうイカレタ田舎の人役やはりハマりますね。
終盤でテーブルに拘束されブリキ男と少女の言葉に翻弄されて揺れ動く4人の姿は中々見応えありました。
最後のオチは最初の方でちょっと予想してたけど、ちょっと「今際の国のアリス」彷彿しました。あそこは彼方と此方の間で引き込もうと企む悪霊たちの家だったのか。最初ギスギスしてた二人が少女からの「メリッサも大丈夫だよ」の台詞で再び笑い合う事が出来た所はちょっとウルッときました。夫婦カウンセリングに行くのはやめにしたけど、結局一番いいカウンセリングだったな(笑)ラストの不気味な余韻も好きですね。
あまり期待せず見始めたけど(それが良かったのか)結構掘り出し物に感じました。「トライアングル」とか好きな人はイケるんじゃないでしょうか。