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ダイブ!!のmatchypotterのレビュー・感想・評価

ダイブ!!(2008年製作の映画)
3.5
《スポーツの映画》、Vol.31。飛び込み①。

タレント揃い。
林遣都、池松壮亮、溝端淳平。この3人が映える映える。
まったくキャラの違った3人が、切磋琢磨して上を目指す青春飛び込み競技映画。

“普通”に縛られ窮屈な世間から飛び出したい林遣都。
常にチームの存続を背負わされ、父であるコーチと選手と指導者という間柄でしか生きれない孤高のエース、池松壮亮。
途中からライバルとして参戦し、ダイナミックに我が道を行かんと存在を誇示する溝端淳平。

この3人が、最初は敬遠したり、探りあったり、思春期真っ只中の悶々とする男の関係性から、飛び込みを通して互いを意識し、高め合う。

それがやがてお互いを認め合うことを覚え、成長していく。
それは競技としての成長と人間としての成長。

若かりし3人の役者のキャラクターの色の違いがとても心地よかった。まるで『僕のヒーローアカデミア』のフロントの3人みたい。

ストイックに競技にのめり込む。
いわゆるスパルタとかではなく、自ら厳しい練習に身を置く。

もちろん才能とか、経験値とか、そういうのも左右するんだろうけど、何にしても結局は反復練習。
体にどこまで覚えさせられるか。

普段通りの演技を舞台が大きくなろうと場所や環境が変わろうと、どこまでいつも通り、いや、さらなる挑戦を目指し、それを勝ち取るか。

中学生と高校生がオリンピック代表がチラつくものすごいプレッシャーの大舞台にまで上り詰める林遣都の直向きでまっすぐで、でも、どこか普遍的な中学生が共感できた。

何か真剣にまっしぐらにやれることを見つけられたのなら、色々気になる雑念なんか振り払ってやった方が良い。
その時に何かを失ったとしても、それより大きなモノが得られる。
たとえ得られなかったとしても、何か別の世界の門が開く。

そんな、清々しく、若々しく、エネルギッシュで、これぞ青春、的な作品だった。
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