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ヒッチャーのCinemanのレビュー・感想・評価

ヒッチャー(2007年製作の映画)
1.2
つくづく不条理ものは、時代背景あってこそのものだと再認識した。
Detourとかでも思ったけど70sカルチャーで育った監督がそこにオマージュを捧げようと、不条理だけ現代舞台で持ってくると違和感がある。カルトになれずc級になっちゃう。
不条理ものは、時代の抑圧感とか、冷戦下とか、観客と共有する暗黙の時代の空気を借景にしてカルト化するものだからね...
例えば赤狩り時代には、ボディースナッチャーが作られて、隣人が実はスパイかもみたいな恐怖を根っこにカルト化したわけで。

この作品もそう。
襲いくる男、逃げ惑う大学生カップル。多分70sとかなら、シンプルなほど..この構図だけ際立てば面白かったはず。
でも2000sで撮ると、単にそれぞれ人間に見えない...つまり何を考えてるかわかんない奴らというちんぷんかんに。
ショーンビーンは自殺願望なのか?ソフィアを狙ってたのか?
そしてサイコパスキラーだけでなく、大学生カップルも謎。2人の家族関係も過去も現在も見えず。本来ありそうな会話が全部ない。
その割に、肝心のシーンとかは見せすぎたりして興を削いだりとかね..

ソフィアは、この映画でちょっと芝居がくさいかな。脚本のせいかもだけど...
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