たてぃ

エリート養成機関 ナポラのたてぃのレビュー・感想・評価

エリート養成機関 ナポラ(2004年製作の映画)
4.2
第二次世界大戦下のドイツ、昼は工場に通い夕方はボクシングに励むという貧しい青年がナチスのエリート養成機関である「ナポラ」の上官にボクシングの腕前を認められ入学するという話。

何の希望もない毎日を過ごしていた主人公の青年としては、「腕っぷし一本でノシ上がれるまたとないチャンス」と捉え入学を希望するも、父親は「ナチスなんかに関わるんじゃねーよゴラアアアア」とばかりに大反対…しかし、主人公は家出同然に入学。

入学した先の学校は、森の中にありまさに下界との交流が全くない閉鎖的な全寮制で規律が厳しい。しかし、主人公は順応し仲間も増やしていく。ボクシングの腕前も上がり、上官や校長からも褒められる。自分の出自なんて関係ない、まさに身分差別のない世界…主人公にとっては理想の世界…


だが…

徐々に見え隠れするダークな部分。上官や上級生による理不尽な命令やしごき、そして弱い者いじめ…

そして、のちに親友ともなる知事の息子が入学し知り合うことによりその「暗い部分」が一層鮮明になり、果たしてここにいるのはいいことなのか主人公は悩む…


そんなある日、列車から逃亡したロシア人捕虜が学校近くに隠れており、見つけ次第殺せとの出動命令が下る…


この作品を通じて、ナチスの「弱肉強食論」がはっきり伝えていたことは評価したいです…強い奴(ここでいうとドイツ)は弱い奴には何やっても構わないし、そんな奴らはいなくなるべきだという思考…
たてぃ

たてぃ