一人旅

パートナーズの一人旅のレビュー・感想・評価

パートナーズ(1982年製作の映画)
4.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ジェームズ・バロウズ監督作。

モーテルで発生したゲイの殺人事件捜査のため、ゲイに成りすましてゲイタウンに潜入する羽目になった警官の活躍を描いたコメディ。
男前俳優ライアン・オニールが渋々ハードゲイに変貌を遂げるという何とも稀有な展開が笑いを誘う作品。オニール扮するベンスンは女たらしのストレートだが、ベンスンとコンビを組むことになったカーウィンはガチガチのゲイ。カーウィンに扮したジョン・ハートが絶えず見せるゲイらしい仕草が非常に上手い。初登場時から手や足を女っぽく絡めてみたりするし、女のセクシーな尻を目の前にしても視線の先にあるのはベンスンの困惑した表情と筋肉質な肉体だ。このコンビが織りなす、ゲイ設定をふんだんに活かしたコミカルな演出がいちいち面白い。レイザーラモンばりのハードゲイスタイルに身を包んだベンスンの、事件の真相と自身の貞操を賭けた決死の潜入捜査の数々に思わず笑ってしまうし、男・女・ゲイの奇妙な三角関係が事件をよそに展開されてしまったりするのだ。
自身がゲイになったことでゲイに対する世間の軽蔑の眼や差別心を身を持って体感するといった、社会的問題を孕んだ演出もコミカルさの中にサラッと描かれている。
基本的にはコメディ調の笑える作品となっているが、事件解決までの過程は警察映画のオーソドックスな捜査手法が踏襲されているので、ただただふざけたゲイ映画の枠内に収まっているわけではない。
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