マサミチ

にっぽん泥棒物語のマサミチのレビュー・感想・評価

にっぽん泥棒物語(1965年製作の映画)
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タイトルは聞いた事はあったが今回が全くの初見で、監督の山本薩夫と云えばバリバリの左翼系映画の人と云うイメージがあったので、それが泥棒を主役にした作品をどう撮ったのか、見始めたら…。

やはりただの喜劇ではなかったですね。かの未解決事件として名高い「松川事件」の被告人の冤罪を証明したのはかつての泥棒だった!と云う事実は小説よりも奇なりな実話を大胆にアレンジした大変興味深い映画だった。

とは云え、残念だったのは福島訛りのセリフが大変聞き取りずらく内容が頭に入ってこない前半。

だから予備知識無しに観るよりも、事前にWikiでもなんでもいいから松川事件の概要と映画のあらすじの流れだけは知っておいてから鑑賞した方が分かりやすいと思います。

それと演技陣が濃い人ばかりなのもこの映画のウリで、主役の三國連太郎とそのライバルとも云えるイヤらしい刑事役の伊藤雄之助も憎たらしいばかりに上手い。若手弁護士役で千葉真一が出ていて、初々しい芝居を見せる。

かつての日本映画には実在の事件を題材に豪華キャストでコミカルにエンターテインメント路線で描くような余裕のある映画があったんですね。ハリウッド映画に近い作りかな。

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