ヤマダタケシ

勝手にしやがれ!! 強奪計画のヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

2021年6月 U-NEXTで
・正面から娯楽作品をやっている。ふらふらしているヤクザ風の男が一目ぼれした結果面倒事に巻き込まれていくという展開はある種の王道で、しかも哀川翔がそのキャラクターにとてもあっている。
・バイプレイヤーとしての大杉連が光っている。
・物語を語る上での舞台装置が空虚な点は他の黒沢映画とも共通しており、廃墟然とした倉庫、なぜか積まれている空っぽの段ボール箱、よく分からない装置などが登場する。王道の娯楽作である今作でも登場するこれらは無駄を省いた結果そうなっているものであり、黒沢作品を大量に観ているとこれは黒沢印だ!という風に思うのだが、あくまでそこに予算をかけないために作られたものだということが分かる。
・そして、ある種の王道を抽象化し過ぎて行く過程の先にいわゆる黒沢清映画的な、何となく超越的な存在を感じさせる作風があるのだと思った。