バンバンビガロ

狂乱のアメリカのバンバンビガロのレビュー・感想・評価

狂乱のアメリカ(1932年製作の映画)
3.0
フランク・キャプラ監督による、1930年代に起こった大恐慌を背景にある銀行の取り付け騒ぎを描く社会派ドラマ。
広範な社会不安、小さな噂に扇動されパニックを引き起こす大衆を描きながら最後には信用や人徳といった素朴なヒューマニズムが勝利を収めるというわかりやく啓蒙的なお話。やや予定調和なきらいはあるが短くまとまっているので素直にいい話だと思える。
銀行強盗の犯人をめぐる捜査の脇道になりそうなところを驚くべき簡潔さで処理したり、作品のメッセージになりそうな部分を重役会議でのすごい早口の長口上で説明したりと、80分台でストーリーをたたむ工夫には感心する。
細かいシーンだが群衆が押し寄せる銀行の中で、夫の残した年金を受け取れるか心配する老婦人を案内係が優先的に窓口に連れていくところできちんと人間の些細な善性を描いていて好感が持てる。
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