映画大好きザウルスくん

デス・リベンジ2の映画大好きザウルスくんのレビュー・感想・評価

デス・リベンジ2(2011年製作の映画)
2.4
異世界に迷い込んだドルフがある王国を救うために奮闘するファンタジー冒険活劇。主演がステイサムからドルフに変わったこと、製作費が大幅に減って低予算映画になったこと、基本設定が異世界転移モノに変わったこと。この3つが前作との大きな違いで、シリーズとしてのお約束(主人公が実は〇〇でした展開など)は強引に押さえていましたが話に直接的な繋がりはありませんでした。

本作は恐らくドルフが『エクスペンダブルズ』(10)の直後に撮影したと思われる作品で、この頃からドルフは自身の監督作は作らずにひたすらオファーされた役を全力で演じるようになっていきます。本作も決して良い評価が得られる作品にはならないことは分かっていたと思いますが、それでも製作陣や観客から求められる声に応えるべく出演してくれたのです。ありがとうドルフ(これはほぼ妄想ですが…笑)!

という訳で本編ですが、まず冒頭から空手を教える風景!そして異世界転移してからは剣を持つように勧められても頑なに拒んでデカナイフを握りしめる展開!早くもドルフ節炸裂です!しかしその後は冒険に出るまでのチュートリアルが長すぎて飽きたり、相変わらず斬ってもほぼ血が出ない戦闘演出に呆れたり、最初から悪党にしか見えなかったキャラが本当にそのまま悪党だったり、出てくるヒロイン全員と距離を縮めようとするドルフに参ったり、やはりテンションの下がる展開が続いてしまいました。終盤にドラゴンが出てくるサプライズがあったのですが低予算なだけあってリアル感のないモロCGな姿にガッカリ。「ドラゴンがいなければ城壁を壊せない!」というシーンも低予算セットのため城の壁が低すぎて、どう考えても人の力だけで何とかできそうに見えました。最後は王国軍と反乱軍の総力戦になりますが、両軍とも人数が少なくて他に暮らしてる農民なども出てこないため、1作目と比べて明らかに世界観が狭い印象を受けました。というここまでの一連のポイントを考慮すると、ジャンル映画としての評価は極めて低くなりますね😨

しかしこの映画、全体を通してアクションシーンはそこまで悪い出来では無くてドルフが剣を持った相手に対してもパンチやキックを決めて返り討ちにする辺りなどは割と見ていられます。ラストにドルフと悪の親玉が2人で現実世界に戻ってからはドルフが一方的にボコボコにしてくれる勧善懲悪な展開となり見ていて気持ち良かったです(家の外に出ずに決着したのも低予算の関係で仕方がなかったのかなと…)。ただ毎回アクションシーンが終わるのが早すぎたので、そこはもっと自信を持って長尺を設けて欲しかったところではあります(もしくは馬脚を露わす前に切り上げる逃げの戦法だったのか…?)。

でもやっぱりこのシリーズ、あまり人にオススメしたくなる代物ではありませんね。僕はドルフファンなので勝手に好きなところを見つけて楽しみましたが、ほとんどの人は僕以上に退屈な思いをするはずです。シリーズ2作目である本作の副題が『Two Worlds』なのは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの2作目の副題が『Two Towers』なのに掛けているのかな、とかいう邪推もしてしまいましたが恐らくは気のせいでしょう!時間に余裕のある方のみ観てみてください😀