ハンスウ

造られた殺人のハンスウのレビュー・感想・評価

造られた殺人(2015年製作の映画)
3.6
これも見たことある人たちばかりで、約7年前の作品でありながら、こんなのやってたんだぁ、という見方もあって楽しさが倍増でした。特に韓国ドラマをよく観てる人だったら顔ぶれだけで楽しめるかもしれません。

・あの大ヒット医療ドラマシリーズの2人がこんな共演をしてた
・あの大ヒット警察ドラマシリーズの主役が妊婦役で出てる
・犯人を追うも空回りばかりの刑事役は藁にもすがる獣さん
・あの大ヒットゾンビ映画で自己中のクソ人間役の人が上司役
・さらにそのゾンビ映画の子役ちゃんがチョイ役
・日本映画でオダジョーや池松壮亮君と旅をしてた人が新聞記者役
・そしてあのアカデミー賞受賞作で元家政婦のおばちゃんがチョイ役

など、登場するたびに声を上げながら見てました。これだけでも楽しかったです。

映画はですねぇ、おしい、もったいない作品でしたね。脚本は一生懸命、練りに練られて作られた跡がうかがえます。書き終わったあとはけっこうな達成感みたいのものがあったんじゃないですかね。どうだろ。監督が自分で書いていてガンバったんだと思います。だけど手放しでホメられない理由も一応あります。焦点がボヤけちゃっていて何を言わんとしてるのかがわかりづらい。これは邦題にも責任があるんですけど、せめて原題の「スクープ」という言葉をタイトルに使ってれば少しは察することもできたかもしれないです。

演出は嫌いじゃなかったんですよね。シニカルなコメディの乾いたタッチでうまく世界観ができてたと思ったんですけど、でも、テレビの報道部の話とスリラー展開と主人公の妻の詐欺被害の話とかが絡んでくるのでどれをやりたいのか少し混乱しちゃいましたね。こういうのは最初からマスコミの加熱報道への警鐘とか痛烈批判とかをチラつかせちゃってもいいと思うんですけど、それがなかなか伝わってこなかったような気がしました。スリラーならスリラーでも良かったんだけど、それらがいろいろバランスが悪かったと思います。決してつまらなかったわけではなかったので、おしいおしい作品でした。
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