ナベ

左利きの女のナベのレビュー・感想・評価

左利きの女(1977年製作の映画)
3.0
とっても空間と時間に余白がたっぷりな映画。
静的に場所、モノが映し出される。

やんわりと言いたいことがわかるようなわからないような。時々クスッと吹き出してしまうシュールなユーモアもあって。
会話に絶妙な間があってこっちが勝手に気まずくなってしまう。

画的にぐっとくるシーンは結構いくつもあった。暖炉の前で床に座ってフルーツ、パンにワイン。私もやりたい。電車の窓に流れゆく街の景色は良かったな〜。個人的に車窓の描写が好きというのもあるけれど、ちょうど良い街感がある景色が流れていくのが気持ちいい。特に夜。

落ち着いて映像をじっくり鑑賞できたのは、セリフが少ないのもあったからかな。
ただ、セリフは少なくとも一つ一つが緻密に設計されている感じで、どこか詩的な言い回しだった。
さすがノーベル文学賞を受賞した監督。

「今ここにいるのに、ふさわしい場所がないなどと、嘆くものではない」
ナベ

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