小津リスペクトにも程がある。静謐なようで唐突なアクションが好き。何だかとてもこのタイミングで観られて良かったと思えた。何かの所為にするのも救いの手を求めるのもとても簡単で、その前にできる事があるんじ…
>>続きを読む" 今ここにいるのに
ふさわしい場所がないなどと嘆くべきではない "
傍らには息子がいて、ときに別れた旦那や友人、父があらわれる。
けれどすべての時間は過ぎ去り、また静寂と孤独に包まれる。
どこま…
目を剥いた赤ちゃんの切り返し。逆走する老婆。街を徘徊。通り過ぎていく人々。日常の些事が淡々と過ぎて行く宵闇の青さ。小津安二郎『東京の合唱』と部屋にある肖像写真。とにかく全肯定してくれる。子どもを溺愛…
>>続きを読む人がいきなり飛び降りるシーンや、母親が息子を物凄い勢いで揺ったりする唐突なアクションに驚く。そもそも屋内での会話におけるカット繋ぎから全く普通じゃない。電車がとにかく沢山横切る。オフの音だけの場面も…
>>続きを読む「今ここにいるのに
居場所がないなどと
嘆くべきではない」
ノーベル文学賞受賞者による唯一の監督作品。
ですって。ごめんなさい。
ここではないどこかを探したって
生きて行くことを決めたからに…
ラストの文章はなくてもいいのに…とも思うが。ホテルの給仕にサラッとマイケル・ロンズデールが出ていて嬉しい。ブルーノ・ガンツに面と向かって女の甘さをズバリ指摘されるところは何度みてもゲンナリするしまあ…
>>続きを読むベルリン天使の詩やまわり道などのヴェンダース作品の脚本を手掛け、この度ノーベル文学賞を受賞したハントケの監督作。
素晴らしかった!
通り過ぎる列車はまさに小津安二郎的で途中挟み込まれる「東京の合…
風景写真みたいに綺麗な構図の画面が散文調にぽつぽつと並ぶ。話はそんなに突飛なものでもない、構図・音(タイミング)・言葉が簡素で綺麗。ハントケはロマンチックなことを照れくさくない言い方で言うのが巧い。…
>>続きを読む"今ここにいるのに、ふさわしい場所がないなどと嘆くべきではない"
いつか引き合う引力に抗うことなく出会った私たちは、手を繋いだままここまで来てしまえた。偽りの当たり前の顔をして、昔読んだ本に書いて…