ヘソの曲り角

ベイブ/都会へ行くのヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

ベイブ/都会へ行く(1998年製作の映画)
4.0
ジョージ・ミラー監督作として見るとこれは紛れもなくサンダードームと怒りのデス・ロードの間に作られた映画である。サーカスの世界と女性たちの慈愛と活力に満ちた混沌の世界で、豚は救世主になる。"行って帰ってくるだけ"というプロットも含めてやはり、本作は完全に『マッドマックス』の血を分けた兄弟なのであった。そしてジョージ・ミラーは新しい生命が無条件に誰もが愛してやまない存在と信じている。クライマックスのカオスを締めくくるシャンデリアガシャーンからの青い風船ドバーッはめちゃくちゃ感動した。全然違うのに『ファントム・スレッド』の年越しパーティ会場をなぜか思い出した。

ほとんど出てこないのに最後にジェームズ・クロムウェルが微笑むだけで締めくくりとしてしっくりくる。今回はフェルディナンド君がさらなる才能を発揮してどんどんアヒル離れした魅力を出していて嬉しかった。セロニアスは哀愁のあるいいキャラだった。