真っ黒こげ太郎

アイドル・ハンズの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

アイドル・ハンズ(1999年製作の映画)
4.5
グッ…!静まれ…!俺の右手…!

ってか本当に静まってくれ!!!!マジで!!!




学校にも行かずヤク吸いながらテレビを見てダラダラするのが日課な、筋金入りのボンクラニート青年のアントン。

ある日、しばらく姿を見てなかったアントンの両親が遺体で発見される!!!
ビックリしたアントンは偶々近くを通りかかった友達に見てもらうことに。
だが、アントンの右腕が勝手に動き出し、親友2人をぶっ殺してしまう!!!
怠け者のアントンの腕に何かが取り憑き、自分の意志と無関係に暴れまわってしまうのだ!!!
アントンの右腕はアントンの思い人のモリーにまで手に掛けてしまおうとする!!どうする!?アントン!?



ボンクラ青年の右手に悪霊が憑依し大暴れし、ドタバタ大騒ぎが巻き起こるホラー・コメディ。

「右腕に悪霊が憑依!」という”死霊のはらわた”チックなネタをティーン向けの明るくカラッとしたノリでサクッと仕上げた一作。
(何処のスナック菓子だよwまぁ菓子食いながら気楽に見れるタイプの映画には違いないが。w)
いい意味でB級感のある良作と聞いてましたが、その噂に違わぬ楽しい作品でした。


主人公は家族が死んで友人も死に、腕をチョンパする羽目になり、挙句切り落とした腕が殺人鬼になるというとんでもねー不幸を背負う羽目になる…が今ティーン寄りのライトでノリのいい作風で全編突っ走ってくれるので悲壮感はゼロ!w
(最終的に女子にモテるしwボンクラ大勝利はこの手の映画のお約束w)

死人もかなり出るが、全編カラッとしたライトノリなので悲壮感の欠片もなく、死んだ友人に至ってはアホみたいな理由でゾンビ化してサクッと生き返ります。w
(なお、ゾンビ化しても普段通りにダラダラ生活します。w)
他に死ぬ奴も「やたら嫌な警官」と「やたら泣き叫んでうるせー女」と死んでも悲壮感のない連中なのが嬉しい。w

真面目な展開もありますが基本的にはゆる~いのりで全編展開!w
クライマックスの悪魔とのラストバトルも見事なまでにバカ!!!w
オチもゆる~くてノーテンキなハッピーエンドで最後まで心地よく楽しめます。


無論緩いだけではなく、ちゃんとシリアスな場面はしっかり締めてくれるし、盛り上げる場面もしっかり盛り上がってくれる、コメディセンスも中々。
80年代B級ホラー感のあるストーリーも普通に面白いし、B級感やしょっぱい所も今作では良い味付けになってます。
「はらわた」シリーズや「ハロウィン」シリーズ等、有名ホラーのオマージュもパロディにならない程度に味付けされてます。

周りの登場人物も、ゾンビ化しちゃうボンクラ友人を筆頭に良い味出してます。
ただの怠け者だった主人公がアッサリ行動派になったりはしますが。w
大暴れする片腕を必死に抑える「はらわた」シリーズまんまなギャグシーンも身体を張って演じており好感触。
(ブルース・キャンベルさんには及ばないが。w)

なお、ゴア描写やスプラッター描写もしっかり描かれてるのも嬉しい。
所々血糊で誤魔化してはいるが、首チョンパや切り株状態の腕、頭の皮ズル剥け等、あちこちで良い感じのゴアシーンが展開されるのも嬉しい。




真面目な場面でしょ~もないギャグをやらかしたり、全編気楽すぎるノリは賛否あると思いますが、こういうチープ感の感じられるバカな乗りの作品は大好きなので個人的にはかなり楽しかったです。w

こういうB級感のあるお気楽ホラーはやっぱ楽しいので大好きっす!!!
B級ホラー感を存分に楽しめる秀作、オススメっす!!!