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ジェノサイド・ストームのHKのレビュー・感想・評価

ジェノサイド・ストーム(1984年製作の映画)
2.8
80年代には情勢不安定な中東を舞台にした映画がいくつか作られたけど、これもそのひとつで、ゴーラン&グローバスのコンビが手掛けているが、ロバート・ミッチャムの米外交官がイスラエルの大学生とPLOの連中を夜中に廃墟に呼び付けてお前らちゃんと話し合え!などと上から目線で説教するすごい映画なんだが、それよりもなんで?と思うのはこれがエルモア・レナードの『5万2千ドルの罠』を下敷きにしているから。知ってる?その話。浮気現場を盗撮された実業家が妻に真実を話して犯人に立ち向かう話でロイ・シャイダー主演で映画化もされているけど、それを妻がPLOの幹部と浮気してフィルムに撮られミッチャムが脅される話にしているのだ。つまりミッチャムは寝取られたけど、怒らず、話し合いを!という大人物で、それがアメリカ人だというところがなんと言うか、もうスゲーな!としか言えない。で、この話なんだよ?と思っていたらクライマックスで割とショッキングな大虐殺がおっぱじまり、その後迎えるエンディングにも唖然とするしかない…ということで、誰か観てよ。ちなみにロック・ハドソンの遺作でもある。なお、シャイダー版もゴーラン&グローバスで製作。フランケンハイマー『デス・ポイント』(86)がそれだ。
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