イチロヲ

ワン・クレイジー・サマーのイチロヲのレビュー・感想・評価

ワン・クレイジー・サマー(1986年製作の映画)
4.0
デザイン科に進むべくイラストの練習に励んている少年(ジョン・キューザック)が、友人と一緒に訪れたナンタケット島にて、権力者の地上げ行為に喘いでいる少女(デミ・ムーア)を支援していく。文化系と体育会系の対立劇を描いている、青春コメディ。

スクールカーストの名残があるけれど、高校卒業直後から始まる物語のため、学園コメディではない。スケッチブックを持ち歩きながら、カートゥーン・キャラを描いてばかりの主人公が、富裕層(体育会系の連中)と対峙する。

「ポリスアカデミー」のゼッドと「ナーズの復讐」のゲップ君が、主人公の仲間として登場。しかも前者はゴジラの着ぐるみを被り、咆哮をモノマネしながら(かなり似ている)、都市開発のジオラマを破壊するという、特撮ファン大歓喜の芝居を見せてくれる。

クライマックスに入ると、敵対するグループ同士がボートレースで直接対決。「海と船が大嫌い」という主人公の性質があまり活かされておらず、いとも簡単に克服してしまうが、全編を支配する「ザ・80年代」の乗りが、清々しさ満点。
イチロヲ

イチロヲ